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 ハゲと化粧。江戸期の武士から考えてみました。

 武士は平和な江戸期であっても、その時が来れば刀を抜いて戦う存在です。だから、病などで顔色が悪いこと(戦うことが困難なことが表面に現れた状態)を敵に覚られないように化粧しろという教えがあったようです。たしか『葉隠』だったと思います。武士にとって化粧とは戦に関わるものという感覚だったようです。
 婦女子にとって化粧は殿方を魅了する意味が大きいでしょうが、例えば、大奥などで将軍や藩主の寵愛を勝ち取るための戦に勝つという意味では、ある意味で戦のための化粧です。
 男性にとっても女性にとっても、化粧することは自分を異なる次元に置くための儀式だったと言えるかもしれません。現在では男性の化粧はあまり顧みられることはなくなりましたが、芸能界ではメイクさんが男性にも化粧を施す場合も多いでしょう。また、面を付ける能や隈取を描く歌舞伎などの伝統芸能における化粧的なものは、これは明らかに自分とは異なる役に成り切るための儀式だと言えるでしょう。
 このように考えると、日本の伝統を踏まえた意味での化粧とは、自分を偽るというよりむしろ戦いに臨む覚悟を決めるためのものだと言うことができます。だから女性は、化粧の時間を大切にしてほしいと思います。揺れる電車内で簡単に済ませるようなことは、くれぐれも御止めいただきたいと思います。
※女性だけを対象にした言い方をしていますが、これは男性が化粧する文化が廃れた時代背景を踏まえているためであり、ジェンダー的に他意はありません。

 さて、ハゲについてです。男性においてハゲは、遺伝による体質と加齢が原因です。宿命には逆らわない方が良いと考えます。よしりん先生のロマンスグレーは「遅咲きじじい」と成るべく定められた宿命なのです。
 ところで、江戸期には士農工商の全階級において月代(さかやき)を剃るタイプの丁髷が定着していましたが、これはハゲの人が劣等感を持たないようにという、日本人の優しさゆえの平等主義だったのではないでしょうか?
 現代日本でハゲを差別(笑)させないためには、丁髷を復活…させるのは難しいので、オサレ系スキンヘッドを徹底的に普及させるのも一法だと思います。また、責任を取るには丸刈りという文化も大々的に復活させるのが良いと思われます。戦国期の武将が戦に負けて恭順を示す方法の一つが丸刈りだったことも、責任丸刈りの伝統の論拠として重要でしょう。つまり、みーちゃんも時浦師範代も武士なんですよね。

 身嗜みの文化も随分深いことが判ります na85

日時
2015-08
投稿者
na85
記事
「若者に媚びる大人」小林よしのりライジング Vol.146
No.
91