昨日、地元のライブハウスでライブをして、その後の打ち上げの席でそのライブハウスの社長さんと色々話をしました。
年齢は50代後半で、気さくで親しみやすいけど音楽については厳しい方です。何でも地元の大学を出て、アメリカの音楽に興味があって数年アメリカに滞在された経験をお持ちです。
彼との話の中で、安保法案の話になって「日本もアメリカに併合されればいいよね」みたいなことをおっしゃっていました。私は内心(あ〜この人もいわゆるポチ保守の考え方の人なのか〜)とがっかりしそうになってその後の言葉にとても驚きました。
「アメリカ人に天皇を認めさせて、日本がアメリカを乗っ取ってもいいのにね〜」と平然とおっしゃるのです。
これは従来の保守や左翼の側からは出ない発言ですね。目からウロコでした。
何でも彼は、アメリカの音楽を現地で色々研究するうちに、ジャズやブルースやロックといった音楽が白人の支配層の黒人やアジア人への差別をルーツにしてるという事実を突き止め、彼自身もアメリカの中にいる日本人として差別される側であるという認識を常に持ちながらアメリカにしばらく滞在していたそうです。
仮に日本がアメリカを占領することがあっても(あまりありえない話ですが)実際アメリカ人が天皇を認め日本人のように天皇の支配下に入ることは考えられないので、この発言は半分冗談なのかもしれません。ですが、それでも核心を突いてる気がします。もし仮にアメリカが戦後の日本のように文化的な支配を日本などの他国から受けたらどうなるか、という命題は面白いかもしれません。
話はすごく盛り上がって「今世界中どこを見ても1%の富裕層が99%の貧乏人を支配してますね〜」みたいなところで同意して、議論という訳ではないのかもしれませんが面白い意見交換ができたと思いました。
今まで日本の音楽などの文化はアメリカの影響無しには語られなかったのですが、最近日本の優秀なクリエイターがネット(特にyoutube)などでアメリカなどの欧米諸国の頭がいい若者にも受け入れられ、静かなブームみたいなものがあるのかもしれません。文化を取り巻く状況とか国の立ち位置が変わったらどうなるのかな、とふと思った一夜でした。