木蘭先生のブログ「優先席の混み入ったシーン」を、私も考えてみたいと思います。
まず登場人物が全員、その場にいる他人の目を気にしているということです。パンクロッカーは自分の見た目から世間の人が受ける印象の通りの行動をすべきだと心のどこかで構えており、善行を為した際も照れ隠しで悪態をつかなければならなかったのです。ババアは敬われて然るべき年寄りの自分がこれ見よがしな悪態をつかれながら席を譲られるという分裂した状況に混乱し、「チッ」と舌打ちして文句を垂れるという仕儀となりました。
右隣のサラリーマンは隣の若者のルックスを見れば席を譲らないであろうことは自明で、本来自分が席を譲れば問題なかったはずですが、その機会を「疲れてるから」「若者が譲るのが筋じゃないか」と見送ったため現在の混乱状況を引き起こしてしまいました。そんな責任を自覚してもいるから頭が混乱したまま、とりま(見かけも込みで)その場で一番悪そうに見えたパンクロッカーを説教しに行くことになったのでしょう。まぁ殴られるでしょう。
キャラ的に今自分が周りから「どう見られているか」「どう思われているか」を気にするより、「困っている人がいたら手を差し伸べる」で良いと考えます。その場にいた全員が、世間の目を気にするという「道徳」の成分の中で最も問題のある部分に囚われているから、結果的に不道徳な行動をしてしまうのだと思うわけです。
私が左隣に居たらロッカーが逡巡してる間に譲ろうと思う na85