こいら の削除コメント

配信ありがとうございます。
アンネの日記の破損事件は、精神がおかしな男の犯行だったのですが、なぜ彼が精神を病んだか、と言えば、構造改革やIT革命なんかで日本の中に合理主義や結果主義みたいな人情がなくなった社会ができてしまって、人間疎外が進んでしまったという側面もあると思います。在特会を支持し、アンネの日記の破損事件を在日の仕業だと思い込んでいたネトウヨだって、そもそも構造改革の中で勝ち組になれず、疎外されてネットの中でしか生きられない人間達なので、実を言うとアンネの日記を破損したキチガイの男と同類なのかもしれません。自分の中のやましい差別心がこの事件でフラッシュバックというか、向き合わなければならなかったので、在日や韓国と言った「自分の優越感を満たしてくれる立場が弱い存在」がこの事件の犯人だ、って濡れ衣をかぶせて満足してる構図が見えます。
そして、このようなネトウヨの排外主義が、ナチス・ドイツのヒットラーやゲッペルスが陥った反ユダヤの拝外主義と相似してることが今回のライジングの記事を読んでよく分かりました。そもそも真の愛国者ならば、ナチスの排外主義からユダヤ人の命を救った杉原千畝や樋口李一郎のエピソードは当然チェックしておく必要があるし、国内で戦犯の外国人の人権を守った徳島の坂東俘虜収容所のことも知っておかなければいけません。単に「あいつがうざいから消してしまえ!」って言うのは小学生のいじめと同じ感覚だと思います。そしてそんな感覚にネトウヨと彼らが支持する安倍までが染まっていることが今の日本の大きな問題だと思います。
民族的な差別や排外主義は、中国の中華思想やアメリカのアングロ・サクソン優位主義みたいなものと同じだと思います。日本人のネトウヨがそれを標榜するのは、アメリカや中国の物まねをそのままやってしまっていることだし、日本人としてと言うよりも人間として恥ずかしいと思います。
以前、萬屋錦の助が出てた医者の刺客が世直しをやる『破れ傘刀舟』という時代劇をテレビで再放送していました。あのドラマの主人公の叶刀舟はいつもはしがない貧乏な町医者なのですが、巨悪に向かっては容赦なく正義感を露にする人間で、悪い奴らを「てめえら人間じゃねえ!叩き斬ってやる!」と叫んでバサバサと悪人を斬っていくかっこいい人間でした。
よしりん先生がやろうとしていることは悪の存在に対して叶刀舟みたいに「てめえら人間じゃねえ!」って言ってバサバサと悪を切り捨てているのかもしれません。今では時代劇も何か人間の暗部なんかを内省的に描く私小説みたいなものが多いのですが、もっと純粋に正義感を表に出して、虐げられている弱者の溜飲を下げる物語があってもいいのかもしれません(テレ東でやってる『三匹のおっさん』なんかはそんな物語かもしれませんが…)。
それにしても、叶刀舟は子供心にもかっこ良かった。今あんなヒーローはいなくなっちゃったなあ…。
長文失礼しました。

日時
2014-02
投稿者
こいら
記事
「『アンネの日記』破損事件と日本の右傾化現象」小林よしのりライジング Vol.78
No.
11