国会議事録で見つけました。
「わが国の自主独立の実をあげるためにも、国力の許す範囲において、みずからの手によつてみずからの国を守るべき態勢を一日も早く樹立することは、国家として当然の責務であろうと存ずるのであります。従つて防衛問題に関する政府の基本方針は、国力相応の自衛力を充実整備して、すみやかに自主防衛態勢を確立することによつて駐留軍の早期撤退を期するにあります」
これは昭和30年の総理大臣鳩山一郎の施政方針演説の一部引用です。
この時はまだ、内乱条項がある不平等な安保条約でしたが、当時の政府は、はっきりと自主防衛することにより、在日米軍の撤去を目指していたのです。今の政府の日米同盟ありきの演説とは雲泥の差ですね。
60年安保により、不平等条約は撤廃されたと思われましたが、アメリカは日本を確実に防衛してくれると拡大解釈し、国民も政治家も自主防衛を放棄し、
自主防衛などお花畑理論と言うようになりました。
中国の脅威が当時と今は違うと!反論されそうですが、当時はソ連がとんでもなく恐ろしい存在であったことを考慮すべきでしょう。
ただ、鳩山の判断はソ連、共産主義の脅威、日本の経済状況を考えて無理があり、現に米軍なしで防衛するのは無理だと考えていた昭和天皇は重光葵に在日米軍の撤去は反対だと伝えました。
当時の状況を考えれば、昭和天皇のご判断は共産主義の脅威、日本の経済力を考えて正しかったと思います。
問題は、今よりもはるかに貧乏だった時期には自主防衛、在日米軍撤去を本気で政府は考えていたのに
豊かになった現在は自主防衛が夢物語のように語られるか全く理解できません。