SAPIOの話です。『大東亜論』の前の2Pゴー宣で、佐野眞一氏による『卑怯者の島』の評価が紹介されていましたが、その10Pほど前に、佐野眞一氏が聞き手となった是枝裕和監督へのインタビュー記事があります。
私は「誰も知らない」で監督のファンになり、最新作の「海街diary」も楽しんで見ました。記事中の、フランスの映画祭で言われたという言葉、「あなたは(生き別れ、死に別れした)後に残された人を描いている」という評価はなるほどと思いました。是枝監督の父は台湾で招集され、戦地でシベリアに抑留されたので、監督は日本近代棄民の末裔というわけです。
そんな監督のこれから撮りたい作品の一つが、第二次大戦後も敗戦を受け入れなかったブラジルの「勝ち組」だそうです。『開戦前夜』の書き下ろしが初出で『真戦争論1』にも収録されたテーマを、気鋭の監督が映画化されるのです。かなり楽しみです。その際、監督にはぜひ、物語として見事にまとまっている「ゴー宣」の当該の章を参考にしてほしいと思います。
以上、佐野眞一氏つながりで… na85