こいら の削除コメント

私も音楽活動なるものをやってますが、例えばミュージシャンがツイッターとかで政治的発言をしちゃうと周りのバンド連中から「政治的発言で怪我したバンドも少なくないから自重した方がいい」とたしなめられたりします。そのくらいこの話題はデリケートな話題です。
ここはある意味閉じられた場所ですので、ツイッターみたいに一般大衆の方々が目にすることは少なかろうと思って好き放題(といってもそれなりに配慮しつつ)書き込ませて貰っていますが…。
芸能人が政治的発言をやりにくい事情は分からなくもないのです。シールズを支持してるバンドマンも少なくないし、ロック界隈のほとんどが反原発の立場なのですが、それを芸の領域まで持ってこないと庶民を動かす力にはならないのです。
鈴木邦男氏が「これからは文章ではなく漫画や音楽の時代だ」とよしりん先生との対談でおっしゃっていましたが、例えば漫画や音楽でも政治的主張を代弁するだけのツールだとも言えない部分があります(反戦フォークみたいな例外もありますが)。技術がない人がやると単なる政治団体のアジビラと同じになってしまうし、そういう表現が人を感動させるかというと必ずしもそうだとは言えないのです。
アメリカやイギリスのパンク界隈は9.11テロからイラク侵攻の頃にさんざんブッシュの悪口を歌にしてヒットを飛ばしていたのです(プライマルスクリームの「Country girl」とかGREENDAYの「American idiot」とか)。
日本ではそこまで過激な歌詞で歌を歌うには少なくともメジャーレーベルから降りなければいけないし(商業主義と決別するという意味で)、お金のために言論や表現の自由を抑えてるミュージシャンは少なくないと思います。
アジビラにもならず、なおかつ商業的にも成功するためには技術が必要なのかもしれません。その意味ではむしろ、AKB48の「僕たちは戦わない」とかPASSPO☆の「Wing」みたいなアイドルの歌の方にその表現の上手さとメッセージを送る力のバランスを感じてしまうのですが…。
どの分野でもバランス感覚を失うと、ダメなような気がしてならないのです。政治的メッセージを出しつつやはりその中に自分というか個の葛藤を垣間見せるのが一番効く表現なのかもしれません。

日時
2015-08
投稿者
こいら
記事
「徴兵制は『苦役』ではない!」小林よしのりライジング Vol.147
No.
128