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「戦争する国の道徳」読みました。マスコミ・言論界・政治の欺瞞、インチキさがことごとく浮き彫りにされており、今の日本に何が必要かを考えさせられました。同時にここまで精緻かつ、踏み込んだ議論が出来る知識人はいないだろうとも思いました。デモやポジショントークに嵌ってる人間には、絶対読めないでしょう。
読んでいて特に感じたのが、宮台真司氏は小林先生以上にナショナリストじゃないか?という事です。宮台氏は「日本は戦争に負けた以上、戦勝国のレジームを引き受けるのは当たり前」と発言していました。僕は賛同できませんが、宮台氏は「戦勝国レジームを跳ね除けたいなら、アメリカに戦争して勝つしかないんだ。お前等にその覚悟はあるのか?」と問いたいのではないでしょうか。宮台氏は心のどこかで「アメリカともう一度戦争して、打ち負かしたい」という野望を秘めているのでは、と言えば穿ちすぎでしょうか。
あと宮台氏のあとがきの「日本国民は自らの居住地近くに米軍基地があるとの前提で日米安保を考える営みが必要」「沖縄を犠牲にした忘却は卑怯」という言葉は、胸に突き刺さりました。この命題に向き合わずに国防を語ってはいけない、と痛感しました。
小林先生と宮台氏の共闘は和解として取上げられる事が多く、僕もそう考えていました。しかし東浩紀氏の「この不自然な共闘を喜ぶな」を読んで、お二人の共闘は和解と呼べるほど甘いものじゃないし、思想は馴れ合いではないという事を思い知らされました。
この本は刺激的かつ挑発的な一冊だと思います。この本で得た知識で満足せず、これからも思想を続けていこうと改めて決意しました。それこそが小林先生や宮台・東両氏が読者に望んでいる事だと思うので。

日時
2015-09
投稿者
monmon
記事
「国家管理のマイナンバーに拒否感」小林よしのりライジング Vol.151
No.
45