こいら の削除コメント

大学時代に、比較政治学のゼミに入っていて、そこでヨーロッパ諸国の近代化とEUについての議論をやったことがあります。
当時はEUではなくてECだった時代で、歴史も民族も違うヨーロッパ諸国がEUという一つの共同体になることは、無理なんじゃないかという結論に至ったのですが、図らずも国境を低くするリスクはあって、フランスは結局テロリストを安易に国の中に入れてしまう結果を生んだのだと思います。
グローバリズムといえば聞こえはいいのですが、国境が様々な厄災を防ぐ効果もあるのかもしれません。日本は四方を海に囲まれているので、国境への感覚が鈍い気がします。
難民や移民の受け入れについても、安易に行うのはどうかな、とも思います。ユニクロの柳井社長が日本も難民を受け入れるべきだ、と言ってネットで叩かれていますが、これから先ブルーカラーの労働力人口が日本でも減るので、移民や難民の労働力を使うことが議論されると思います。もちろん全ての移民や難民の方がテロリストになるわけではありませんが、フランスの事例を見てると、安易に他国からローエンドの労働力のために移民を集めることがリスクになる可能性はあると思います。
それからロシアがシリアのアサドを生かす方針をとることは、やむをえないと思います。確かにアサドのためにシリア難民は生まれたのですが、アサドを殺してしまうとますますシリアはデタラメになると思います。アメリカがフセインを殺しちゃったので、中東が一時期のベトナムやカンボジアみたいになってると思います。しかもベトナムやカンボジアと違ってイスラム国やアルカイダの連中が反米・反西欧のイデオロギーでこれからもテロを起こしてくることは間違いありません。
テロに安易に屈しないことも大事ですが、アラブ諸国の安定のためには上手に権謀術数を操れる老獪な振る舞いも必要で、ロシアのプーチンは(決して共感ができない部分もありますが)その付近、アメリカのオバマよりは上手いと思います。

日時
2015-11
投稿者
こいら
記事
「パリ、同時多発テロの必然性」小林よしのりライジング Vol.156
No.
27