こいら の削除コメント

>>118
monmonさんへ。
熊本市長がこのドラマに抗議の声明を出したことは、表現の自由に対する公権力の介入、という意味で問題があるのかな?とも思います。
要するに、暴力的な描写とかあるいは性的な描写みたいな「明らかに公器としてのテレビがやってはいけないこと」への抗議ではなく「福祉関連の真実の(多少の誇張はありますが)描き方が悪い」みたいなクレームなので、「福祉の現場はこう描かなきゃダメですよ」みたいな指示をしたいのでしょうけど、それは表現者の「内心」への介入であるので、決して権力がある立場の人間がやってはいけないことだと思います。
こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)を置いている慈恵病院は、そこを舞台にしたドラマをTBSが作っているのです。私は見てはいないのですが、少なくとも置き去りにされた子供や福祉の現場の人間を貶めたりする内容ではなかったと思います。
もちろん、現場の意見は大事かもしれませんが、ただ単に「福祉とは素晴らしい」とか「赤ちゃんポストに置き去りにされた子供は健気な天使だ」という片面だけを強調するような描写では、真実をきちんと描いているとは言えないのかもしれません。
もっとも、日テレサイドも十分な取材をしてドラマを作るべきだったのかもしれませんが、どうも福祉の現場って「自分たちに都合の悪いことは取材に応じない」みたいな姿勢を報道に対して取ってしまいがちな一面があるのではないのか、とも思います(薬害エイズの時なんかもそんな印象を私は受けました)。もちろん、弱者に対する差別を助長しかねない、という配慮もあったのかもしれませんが「あるがままの人間像」というか「弱者の中にある(いい意味での)邪さ(というか業の深さ)」みたいなものに対して隠したがる、というか白日のものにしたがらない、というむず痒さみたいなものを感じてるんですね。
よしりん先生が孤児院出身のポカQさんのことを「弱者だけれども面白味がある」みたいな感じで漫画に登場させてるのを見ると、例えば不遇な人間にもユーモアみたいなものがあるな、みたいな感じで見てる方が何か心暖かくなる、という感想を持てるのです。もちろんそれはよしりん先生が弱者に対して一貫したスタンスを取りながら、愛情を持って漫画に登場させるからでしょうね。
もともとテレビ自体、熱心に見る人もいれば、ただBGMみたいな感じでスイッチだけ入れている、という人もいるので、万人に向かって訴えるには適していないメディアなのかもしれません。
このドラマが、テレビじゃなくって映画だったら、ここまでは叩かれなかったのかな、とは思いますね。
長文失礼しました。

日時
2013-12
投稿者
こいら
記事
「『ポエム化社会』にある深刻な問題とは?」小林よしのりライジング Vol.70
No.
121