よしりん師範、号外配信ありがとうございます。これが「脱原発に舵を切れるかどうかのラストチャンスだ」と仰った師範の覚悟がとても強く伝わってくる内容でした。『脱原発論』以後の論点が網羅的によく整理され、その全ての論点において推進派を論破できる凄いものです。常識のある大人ならこれを読めば脱原発候補に入れざるを得ないはずです。全都民・全有権者必読の1本だと思われます。
しかし私はこの東京都知事選は楽観できないと思っています。というのも、日本人の悪い習性が出るかもしれないからです。それは、3つ選択肢を提示されたら真ん中を選んでしまうという中庸志向と、有利だと言われている方、支持が多そうな方を周囲の顔色を窺いながら選んでしまう勝ち馬志向です。都知事選には複数の候補が乱立していますが、有力候補について経済優先or社会保障優先かの左右対立と、原発対策に分けて考えてみます。
【左右対立】共産・社民が支持する弱者の見方で前日弁連会長の宇都宮氏が左の極、経済成長のためには戦争経済さえ志向しかねない石原氏が支持するタカ派・田母神氏が右の極で、その中間地点あたりにいるのが自民党時代から社会保障政策通とされた舛添氏となります。※ここでは細川氏は構造改革を推進した小泉氏の支持を受けていることがマイナスに作用します。小泉竹中路線を継承した安倍自民党は黙して語らず、脱原発を細川・小泉に奪われた社共・宇都宮陣営に言わせます。
【原発政策】脱原発ワン・イシューを訴える小泉氏が支持する細川氏が脱原発の極、経済成長のためには原発が欠かせないという立場の田母神氏が原発推進の極で、その中間地点あたりにいるのが原発依存は減らすべきという建前の自民党と歩調を合わせる舛添氏となります。※宇都宮氏も脱原発ですが、ワン・イシュー批判で細川・小泉陣営との差別化を図ったことでぼやけました。小泉政権時の郵政民営化ワン・イシュー選挙に引っかけて批判するはずです。
その上マスコミは連日のように「貿易赤字は化石燃料輸入増加のせい」と報道し、安倍政権と舛添候補を側面支援しています。アベノミクスの失敗(大企業の収益が上がっても株主への配当を優先し給料は上がらない)の原因を、燃料費のコストプッシュのみに一元化して報道され続ければ、「完全に脱原発するのは危険なんじゃないか?」と思い始める都民が多くなると思われます。以上のような理由で、私はこの都知事選は分が悪いように思います。
さて、原発に関する残った論点を考えてみます。原発を動かし続けることはウラン燃料の産出・加工・再処理を行うIAEA体制=旧戦勝国に支配され続けることにほかならず、それは安倍の訴える「戦後レジームからの脱却」を放棄することですが、そんな矛盾には気づきもしないでしょう。戦後レジーム(体制)とは旧戦勝国による世界支配体制だというのに、安倍は中韓と日本マスコミに強く出ることが戦後レジーム脱却だと勘違いしているぐらいですから。化石燃料(ドル決済の中東産のみ)でも原子力(上記・IAEA支配)でもアメリカ様に喜んで支配されたいというヘンタイが安倍一派の正体なのです。現在安倍政権は原発推進(再稼働と新設)の主張をトーンダウンさせていますが、ほとぼりが冷めたら必ず言い出すはずです。
また、安倍政権はアベノミクスの2本目まで(金融緩和と財政出動=内需刺激策)では国内投資が増えず、給料も増えず、従って消費も増えず、消費増税前の駆け込み需要も大した効果はなく増税後の景気落ち込みが怖いから、3本目・成長戦略は「やっぱり外需だ」となってTPPを推進しています。そして原発に関しては景気が好調な新興国に売りつけようとしていますが、もし売った先で事故が起こればトルコのような明治期以来の親日国も反日国に変わるでしょう。外国に売りつけようとするぐらいですから、国内でも積極推進していないことには信用に関わります。安倍一派は原発積極推進派で間違いないのです。
以上ような積極推進派の安倍政権が支援するのが舛添候補ですから、彼がたとえ選挙対策で原発依存を減らすと言っても絶対信じてはなりません。
都民の皆様、正しい判断をされることを願っております na85