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尻毛屋さん、ちょこさん

僕は「明日ママ」への抗議については、否定的でしたが、一方で作品については、評価していませんでした。結局、ファンタジー仕立てにすることで、現実の子どもの問題から逃げているようにも思えたし、最後にはちょこさんの思う通り、「愛を勝ち取る」のかなと思うと、陳腐だともかんじたのです。
僕は仕事柄、子どもの心の問題について、知識を得る機会があるので、少しは分かるのですが、おそらくポストのような子は里親に巡り会えたとしても、幸福を得ることは難しいと思います。ポストの感覚は大人のそれであって、子どもらしい生き方ができなかった彼女は将来、その歪みが何らかの形で出てくる可能性は高くて、少しでも知識があれば、「子どもの強さ」なんて、軽々には言えないはずなのです。
しかし、第三回目は単純に子どもが幸福なるような結末ではなく、それだけに子どもを取り巻く問題が一筋縄には行かないことを製作者側は認識しているように思えました。
また、よく考えれば第二回目だって、母親に見捨てられた子どものトラウマがよく描かれていて、どうも僕は「ファンタジー仕立て」に惑わされていただけだと思うに至りました。
それだけに、今回の屈服は本当に残念です。「何でTVを真に受けるの?」という尻毛屋さんの考えは全く同感だし、一定のバカに気を使うようになれば、表現は死んでしまいます。

日時
2014-01
投稿者
dai
記事
「『脱原発は都知事選の争点ではない』は本当か?」小林よしのりライジング Vol.71
No.
64