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 わー!よしりん師範、大丈夫ですか?尿管結石の発作(水腎症)の痛みは半端ないらしいです…。腰のあたりに焼けた火箸を突っ込まれたような痛みとよく形容されます。体外衝撃破砕で結石を壊せば激痛はなくなると思いますが、再発の危険は常にある状態が続くと思います。そんな状態でもストレスフルな講演その他の仕事に向かわねばならない師範、おいたわしや。
 結石の種類はおそらくシュウ酸結石だと思います。食事で摂取されたシュウ酸が腸から吸収され、血中を回って最終的に腎臓から排泄されるとき、カルシウムと結びついて結石になります。結石が広い腎盂にあるときは平気ですが、狭い尿管のほうに転がり落ちてくると詰まってしまい、詰まった部分より下に尿が流れなくなり、腎臓が腫れてむくんで激痛を起こすわけです。
※シュウ酸が多いとされる食材…ほうれん草、タケノコ、モロヘイヤ、さつまいも、レタス、ブロッコリー、チンゲンサイ、セロリ、大根、ナス、トマト、枝豆、未熟なバナナ、ピーナッツ、チョコレートなど。灰汁(あく)の強い野菜に含まれているようです。野菜では旬を外したハウス栽培のものに灰汁が多くなり、シュウ酸の含有率も高くなる傾向にあります。
【予防法】小腸からシュウ酸が吸収される段階で予防するには、食事では常にカルシウムの多い食材を摂る事です。シュウ酸は腎臓で析出されるときもカルシウムと結びついて結石になりますが、小腸から吸収されるときもカルシウムがあればそこでシュウ酸カルシウムとなって血中に吸収されにくい形になり、糞便中に残されて排泄されます。
【注意】カルシウムなら何でも良いわけではありません。牛乳では全く駄目です。カルシウムがシュウ酸と結びつく前に乳脂肪の脂肪酸と結びついてしまうからです。脂肪酸カルシウムが便中に出てシュウ酸は血中に吸収されたら元も子もないのです。小魚や小エビを多く摂るとよいと思います。煮干しがオススメです。
 同じ伝でシュウ酸の多い食事のときに油ものはもっとイケナイのです。ほうれん草の炒め物とかヤバイですね。タケノコとチンゲン菜の入った野菜炒めとかも危ないですね。野菜の食物繊維やビタミンを摂らないわけにはいきませんので、再発のリスクが低くなるまでは、しばらく油ものを少なくした方が良いかと思います。ほうれん草なら御浸しにしてカツオ節(カルシウムを多く含む)をたっぷり乗せてください。
【その他】シュウ酸が尿中から排泄される段階では、カルシウムと結びつかないようにしないといけません。腎臓からカルシウムが排泄されないように、そして一旦排出されても尿細管で再吸収されるようにするわけです。人体でカルシウムが多い場所は骨です。骨芽細胞と破骨細胞のバランスが狂って骨が分解される方向に傾くと、骨がスカスカになる骨粗鬆症になりやすくなり、このとき血中にカルシウムが多くなって尿中への排泄も多くなります。このバランスの狂いには喫煙や糖分・塩分の摂取過剰などのほか精神的ストレスも関わっています。※ストレスは腸からのカルシウム吸収も妨げます。しかし常に過剰なストレスにさらされているよしりん師範にストレスを無くせと言っても詮無いことですが。
 腎臓の糸球体から排出されたカルシウムは尿細管で再吸収されます。腎盂でシュウ酸カルシウム結石をつくらないためにはこの再吸収を増やせば良いわけです。ビタミンDを摂れば尿細管でのカルシウム再吸収の効率を上げます。ビタミンDはサケ・サンマ・カレイ・サバ・ウナギ・タイ…といった魚に多く、またキノコ類にも多いようです。
【食に関する結論】ここまでで結石予防のための食材や調理に関する事象は出揃ったと思います。シュウ酸の多い食材(特に旬を外したもの)を避ける。油による調理を少なくする。カルシウムを多く摂る(小魚・小エビは○、牛乳は×)。ビタミンDを多く摂る。つまり旬の野菜、キノコ、魚による和食です。ただし糖分・塩分は控えめです。

 水分摂取についてですが、結石による疝痛発作時には大量の水を飲むことも必要ですが、その期間を過ぎた後はあまりお勧めできません。大量の水で身体を冷やせば免疫力を弱めるため、あらゆる病気によくない影響があると思われます。特に冷たい水分はNGです。軽い運動はとても良いと思います。軽い運動をすると身体のいろいろな部位でNO(一酸化窒素)が分泌されて平滑筋が弛緩します。尿管も平滑筋なので析出した石も詰まらず流れる可能性が高くなります。
 
 よしりん師範の奥様、食事に関してはよろしくお願いします na85

日時
2014-01
投稿者
na85
記事
「団塊世代の成長神話は厄介だ」小林よしのりライジング Vol.72
No.
123