私の会社では、年に一度、ある児童養護施設の小学生約30人を会社に招いて、ハロウィンパーティを行ってきました。去年で6回目で、子供たちが元気に成長している姿を見ることを毎年楽しみにしています。施設長もとても良い方で、施設についていろいろと話を聞きましたが、真摯に子供たちと向き合っている姿を尊敬しています。
きっとこの施設は、ゴー宣で言われていたところの「良い施設」なのだと思います。子供たちは屈託なく、一緒に遊んでいる限りは普通の子供たちと同じです。職員の方々とも良い関係でいるというのが傍から見ていてわかります。もちろん見えないところでの問題やトラブルは多くあると思いますが、子供たちの真に子供らしい姿を毎年見ている私にとっては、児童養護施設で虐待があるというのは、にわかには信じがたい話でした。
ですので、今週のゴー宣で紹介されていた当事者の方の経験談は本当に悲しかったです…。
私自身、この施設を知るまでは、児童養護施設について何も知りませんでしたし、この施設について知ってからは、いわゆる美談としての養護施設の存在がもっと社会に広く知らされるべきだ、と思いました。しかし、そうではない児童養護施設があるという現実があるのであれば、当然それらも社会に知られるべきだと思います。
この問題は、私にとってはとても複雑です。「良い施設」しか知らなかった私にとって、「悪い施設」があるというのを知ることは本当に残念なことです。施設長が、大変な経験をした子供たちなので大人の愛に飢えているという側面があり、大人に甘えてくる子供がけっこういますと説明してくれたことがありました。接してみると実際にそうで、人懐っこく手をつないで来たり、後ろから背中に飛び乗ってきたり、という子供たちがたくさんいました。そのようなことが許される環境の施設は、きっと「良い施設」なのだと思います。
ハロウィンパーティが終わって彼らがバスに乗って帰るのを見送る時、彼らは満面の笑みで手を振ってくれます。私は彼らに手を振りながら、いつも複雑な気持ちになります。本当なら家に帰るべき子供たちが、帰る家がなくて、当たり前のように施設に帰っていく姿を見ると、彼らのようなかわいい子たちがなぜ家に帰れないのだろう、とやるせない気持ちになります。いろいろな理由があり、事情はそれぞれで、私などには考えも及ばないような苦しみや葛藤があるのだと思います。
そのような子供たちが施設で虐待を受けているのだとしたら、それは本当に、本当に心から悲しいことです。よしりん先生が言われるように、そのような現実が扱われなくなり、明らかにされないようになるなら、全然よくないですよね。