以前からオリンピックの報道を見ていて疑問に感じていたのが、視聴者の
関心を惹きつけるため、或いは発行部数を伸ばすために、客観的に見てメダ
ル獲得の可能性が低いのに、その期待感を煽るようなやり方で、その同じ構
造は今回の都知事選でも見て取れ、脱・原発の争点化を避けるような伝え方
で問題の本質を隠し、その上、争点ではないとさんざん繰り返しておきなが
ら、脱・原発派の候補者が負けると手のひらを返したように、今回の結果の
みをもって、まるで国民の同意を得られたかのように、声高に原発の推進を
叫ぶのはおかしい。
自らの利益に繋がることは過剰に伝えて、そちらの方に大衆を導こうとす
るが、自分達の主義・主張に都合の悪い事実は大衆の目から背けるように仕
向ける報道の仕方に、送り手だけでなく、まんまとその手に乗っかってしま
う受け手の側にも問題がありますが、特に、原発のような国家の行く末を決
める事柄における報道の姿勢として疑問に感じる。ただし、いくら送り手が
レトリックを使って受け手の側を欺いても、丹念に元ネタを読み解けば、必
ずトリックを暴くことができるが、特定秘密法によって、時の権力者が恣意
的にネタそのものをブラックボックスに入れてしまえば、もう、我々では手
が出せない。これから先、我々の元にしっかりと真実が届くのだろうか。