3月2日の道場のテーマが「専業主婦は保守なのか?」ということですが、私の亡くなった明治生まれの祖父は腕のいい畳職人で海軍に2回召集されていますが、炊事や掃除、洗濯に至るまで自分でやってました。反対に祖母はお嬢様育ちで全く家事をしてませんでした。だから私の頭の中に「仕事は男で、家事は女がやること」という考え方がないのです。祖父は職人でしかも修業時代は一人暮らしをしていたので、身の回りのことは全て自分でやれたのだと思います。
そもそも、専業主婦という存在が日本の伝統的な結婚した女性のあり方だったのか、ということにも疑問があります。
話はそれるかもしれませんが、アイルランドを代表する男性ミュージシャンのギルバート・オサリバンの歌に「A woman's place」という歌があって、歌詞の内容に「女は家事をやるのが当たり前だ」とあります。そもそも専業主婦という概念が生まれたのは産業革命以降のイギリスで、男は労働者として工場なんかで長時間労働を強いられ、家事をやれないから女性が家庭内労働に専念したのがその始まりなんじゃないのでしょうか?それが明治時代に日本が欧米文化を輸入したときについてきたのではないのか?とも考えられます。
そもそも江戸時代には農家は男女問わず畑や田んぼで働いていたし、旦那さんの方が家事を嫁さんに一方的に押し付けていたワケでもなかったのではないのでしょうか?家の調度を修繕していたのは男手だし、海や川で釣った魚を捌いて刺身を作っていたのも男だったはずです。
専業主婦という概念自体、明治時代の欧米化政策と産業革命の影響と不可分ですね。で、その頃に男尊女卑という概念も出来上がったと思われます。
「専業主婦が保守だ」という保守派の考えは「それは明治の欧米化政策を受け入れた結果生まれた進歩主義の賜物だ」と論破できます。要するに合理主義というか、左翼思想が専業主婦という概念を生んだのだと言えますね。