ひょうろくだま之介 の削除コメント

『戦争論2』でお父さんやお祖父さんを罵った子供たちと同じような嘲罵を、私は母に言ってしまった事があります。
兵士として満州から敗戦の年に沖縄へ行き戦死した母の父(私にとっての祖父)の事を思い返しては涙ぐみ、幼い私に「私の父はお国のために戦って亡くなったんだよ」と述懐する事度々でした。しかし、一度私はその母に向かって「でもお祖父ちゃんは侵略の手先だったんでしょう?」と侮蔑の言葉を浴びせたのです。母は弱々しく反論したと思うのですが、当時の私は日本の左翼による反戦平和の風潮を疑いもしませんでしたから、真面目に聞く耳を持つ事もなかったのでしょう、その言葉を覚えていません。
『戦争論』を読み、過去の暴言を思い出し、私は母に深く詫びました。母自身はその時の事を忘れていたようで、すんなり赦してくれましたが、私の心の中にはその時の侮蔑の言葉が刺のようにまだ刺さっています。 
ところで私は国際交流の催しが好きで良く顔を出すのですが、所謂「従軍慰安婦」論争や『戦争論』を知らない昔の私でしたら中韓の人々に自分から言わでもの謝罪をしていたかも知れません。バングラデシュ建国史を劇にして見せてくれた座長が過去の日本に感謝してくれたのには恐縮し、こちらの方こそ感謝の気持ちでいっぱいになりました(ダッカで惨劇が起こる数年前です。アフガニスタン大使館の醜態もありました。今のかの地の対日感情はどうなっているでしょうか)。「私」の話題に過ぎませんが、こういう体験もよしりん師範の著作から頂いた恩恵です。いつかこうした体験が「公」に繋がる日が来るでしょうか・・・?

日時
2022-02-08 15:11
投稿者
ひょうろくだま之介
記事
「30周年記念・『戦争論』の経緯」小林よしのりライジング Vol.425
No.
214