南青山D.J の削除コメント

「謝ったら死ぬ病」。
たしかにこれは今の日本人に浸透した病気でしょう。
自意識がどんどん肥大した結果です。
なぜこんな病がここまで蔓延してしまったのか。
それを考える上で、いくつか手掛かりに近いものがあったことを思い出しました。


たとえば弟が東大王の
自称メンタリスト松丸大吾氏は
「いじめられたらいじめた相手を
『ひたすら見下せば』いい」と言ってます。

ですが彼は
「自分にとって必要もない命は軽い。
だからホームレスの命はどうでもいい。
正直、邪魔だし、プラスにならない」
と人を見下した発言を常にしてて、
その結果総スカンをくらったのは記憶に新しい限りでしょう。

すなわち、人を見下している人が総スカンを食らった場合、
(その総スカンをくらったことを「いじめられた」と解釈してる)
もっと相手を見下すことが彼にとっての解決策であるわけです。

また、「いじめられたと感じたらいじめ」
「いじめられた側は100%正しい」
というのはすでに一般常識になってきています。

そして「いじめられたと感じたらいじめ」の名のもとに
今や指摘や叱責、否定、助言なども
「いじめ」ということになりつつあり
これがポリコレの拡大温床にもなっています。

これを総合してしまうと
自分様の『絶対正しい』意見を否定した輩は
自分様をいじめる『絶対悪』になるため
それに対して屈するわけにはいかない。

すなわち『絶対悪』である相手の意見に屈するということは
死にも勝る屈辱となるのではないのでしょうか?


それともう一つ思い出したのは
一時期引きこもりやニートが言い出したことで流行った?
「働いたら負け」という言葉です。

これよく調べて見ると
いわゆる就職難の「高学歴ニート」あたりから出た言葉らしく

要は「『高学歴・高偏差値』である
自分様が偏差値の低い輩の下で働く
ということは到底できない」
という屈辱らしく、
というのも当時は
「偏差値の高い学校を出れば望み通りの会社に入れて一生安泰」
という思想があったらしく
それを証明したに近い事件がいわゆる
Vol.275「ネットの『基地外』の憎悪について」で取り上げた
「低能先生事件」
(いわゆる九州大学卒高学歴ニートが起こした惨殺事件)
それと1999年に起きた
「全日空61便ハイジャック事件」
(これも一橋大学卒高学歴ニートによる事件。
動機は一流大学を出たのに希望の職につけなかったことから、
その会社に入れるよう欠点を指摘したが受け入れられず
その欠点を『証明』するために
実際にハイジャックを起こし、機長を殺害し飛行機を操縦した
さらにそれはたった一人でハイジャックを起こせる事を証明してしまい
それが2年後の「アメリカ同時多発テロ」につながっている。という説もある)

これらの事件についても思い出したのが
和田秀樹氏が本で
「今の70代は知的で反骨の世代
ー空前の受験戦争を生き抜いた、団塊世代ー」
と讃え、
『この分厚い団塊世代こそが
「日本の高度経済成長を支えてきた世代」と感じているからです。
その一番の理由は「学力レベルの高さ」です。
「空前の受験戦争」を強いられた世代ですから、
とにかく中学・高校時代は
勉強するしかありませんでした。
団塊世代に中学・高校時代の思い出を聞いてみると、

ほとんどの人が
「勉強がつらかった」といいます。
「なんだかわからないけれど、勉強ばかりさせられた」
「周りのみんなが勉強するから自分だけ勉強しないわけにはいかなかった」
つらくても「とにかく勉強しなければ」と思い込んでた世代です。
親も教師も「とにかく勉強しろ」と言い続けました。
「睡眠4時間で頑張らないと合格しない、5時間寝る受験生は落ちる」

団塊世代は、それくらい勉強した生徒が多かったのです。
とはいっても今のように大学の数は多くなく、定員も少なく、ほとんどが都会に集中してましたから、
その結果、志望校を不合格になって進学を諦め、就職する高校生が少なくなかったのです。
実はこのことが
「日本の工業や製造業を世界トップレベルの技術水準に引き上げた」』
と彼らを和田氏は絶賛しているのですが。

そらそんな
「地獄のような勉強に耐えて学歴を手に入れた」
側からすれば
「自分より偏差値が低い(彼らは頭が悪いと解釈している)」
輩に頭を下げるのは
『死にも勝る屈辱』
なのではないかと。

そういえばその和田秀樹氏、週刊新潮で
「ウクライナに関する報道では、大抵のコメンテーターが
“ロシアはけしからん”と話していますが、
『自分なら“プーチンにも良いところがあるのではないか”』と考えてみる。
お昼のワイドショーなどは、
ゲストで呼ばれた芸人までもが一様に長いものには巻かれろ的な同じ話をしていますよね。
『私からすれば“前頭葉が老化しているな”』と思ってしまいますね」と。

てこないだの第460回「善悪二元論を否定する心理」
反論なのか、ロシアを悪とすることは
『私からすれば“前頭葉が老化しているな”』と思ってしまいますね」なのだと。
て香山リカ氏といい
精神科医ってこんなのばっかりなのか?


ただ、一時期「理論武装」
ということばが流行りましたが

「自分は絶対に悪くない、正しい」

ということを証明するため
知識やら法律やらを駆使する能力は
ものすごく上がったような気がします。

そしてそれを認めてしまったら
自分が「絶対悪」になるという解釈から
「謝る=死ぬ」に等しいのではないでしょうか。

日時
2022-05-25 04:38
投稿者
南青山D.J
記事
「謝ったら死ぬ病」小林よしのりライジング Vol.436
No.
24