ゴー宣と同じくらい、プラトン作品が好きなおじさんです。
価値相対主義というものについて、ずいぶん前からモヤモヤしていたのですが、つい、思いつてしまったもので・・・。
A「この世に正義など存在しない」
B「君の言う正義とは、どんな意味だろうか。間違った主義主張ということだろうか。それとも、正しい主義主張ということだろうか」
A「馬鹿にするな。後者だ」
B「すると君は、この世には、正しい主義主張など存在しない、と主張するのか」
A「むろんそう言っている」
B「その主張は、正しいか」
A「正しい。正義なんてものはまやかしで、実際には存在しない」
B「そうすると、君のその主張は、まやかしで、実際には存在しないことになるね」
A「は?」
B「だって、この世に正義など存在しない、という君のその主張は、正しいんだろう?」
A「正しい」
B「正義とは、正しい主義主張のことなんだろう?」
A「そう」
B「正義なんてものは、まやかしで、実際には存在しないんだろう?」
A「そのとおり」
B「そうすると、君のその正しい主張は、まやかしで、実際には存在しないことになるはずだが、それとも、君には何か特別な神の御加護があって、例外が適用されるのか」
A「・・・いや、例外はない。でも別にいいだろ。しょせんこの世はまやかしだ」
B「ところで、まやかしを見破るためには、本物を知る必要があるのではないか。それとも君は、三角形が四角形でないことを知らずに、四角形を三角形でないと、見破ることができるかね」
A「できないが」
B「しかるに、君は見破ったね、自身の主張はまやかしだと」
A「・・・」
B「君は、どうしてそんなに、自身が本物の正義を知っていることを証明したかったのかね」