今週号の『表現者クライテリオン』批判は、さすが『戦争論』の著者だと感じ入った。自虐史観・戦後サヨク全盛時代にも関わらず、言論人として、また小林よしのりの実存から発した歴史感覚と史料批判をもって『戦争論』を突き付けた者と、まさに空気が右傾化してから、西部邁を看板に名を売った大学人との明確な相違を実感してしまった。
今週号は中島・西部との「パール論争」を思い出した。あの時も、あの西部邁を向こうに回して、歴史的事実と史料批判をフル動員して西部を徹底論破しており、小林よしのりの「厳密さ」と「真剣さ」に感嘆したものだが、藤井氏や『表現者クライテリオン』は過ぎ去りし「パール論争」のデジャヴュになるであろう。