ハムール

小林先生始め執筆陣、スタッフの皆さん、いつも配信ありがとうございます。一言コメントさせてください。今回のゴーマニズム宣言の中で、「ホルムズ海峡を迂回して原油を出荷できるパイプラインをUAEが建設し、もう3年前から稼働しているのだから、それを使えばいいだけの話だ。」とあります。自分の会社は原油を運んでいますが、このパイプラインで迂回できるボリュームを以前調べたことがあります。その結果はと言うと、ホルムズ海峡を通過する原油に対してほんの10%からせいぜい15%（日量約150万バレル相当)です。日本の消費量は日量42-44百万バレルで、その7-8割が中東産ですから、パイプラインさえあればいいと言う話ではないです。（ホルムズ海峡を回避できる紅海側の出荷基地もありますが）
その一方、ホルムズ海峡を閉鎖するなど、今のイランにやれるとは考えられません(自分の首も絞める自殺行為だと思います）。なので、ホルムズ海峡閉鎖を口実に安保法案を通すのはズルイと思いますし、ホルムズ海峡閉鎖が存立危機だと言うなら中東産油国以外との貿易を拡大する努力が先決だろうと思います。それには、経済合理性を追求する民間企業の判断だけでは供給途絶に備えた購買計画は難しいと思います。

2015-08

安倍談話を読みました。自分の国語力では、何が言いたいのか分からず、スーっと中身が入ってきませんでした。スーッと右から左に抜けていきます。ただ、これらの言葉に説得されたり、賛同できる人が居ることに驚きます。他国で活動できる安保法制を推し進める者が、「いかなる武力の威嚇や行使も国際紛争を解決する手段としてはもう二度と用いてはならない」と言って誰が信じるのか、言行不一致と言うほかありません。そしてもう一点、「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子供たちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。」という一文は、今後アメリカの原爆投下について責任を追及しません、と言っているのではないかと危惧します。最後に、TPPで（中国を排除するような）経済ブロックを作ろうとしている癖に、同じ口で経済ブロック化を批判するというのは、支離滅裂ではないでしょうか。

2015-07