希蝶 の削除コメント

 遅くなりましたが、今号の感想です。

〇 ゴーマニズム宣言・第477回「戦前のテロに対する考察」
 コラムを読んで、「ブルータスらによるカエサル暗殺」とか、「バブーフの陰謀」とか、前回も少ししるしたけれども、「佐野政言による田沼意知の暗殺」とかはどれに当たるのかな、というようなことを想像してみましたが、バブーフはクーデター未遂で、あとは私怨なのかな、というふうに理解しました。確かに、こういう言葉の定義は難しく、何を目的としたのかによって、かなり内容がかわってきてしまうもので、それらを十把一絡げに「テロ」と断じてしまうことこそ、ポピュリズムであり、衆愚政治で、(私がひとから言われた言葉をたとえにだしますが)「小林よしのりという名前を出している時点で、その固有名詞の方が聞いている人の印象に残ってしまい、あなたの話の内容など、耳に残らない」というようなものだろうと思います(自分の場合は、自分の論旨がだめだめだということもあるのでしょうが。さらに言えば、そんなに「小林よしのり」という名前も出してはおらず、自分がよしりん先生ファンだと知っている人だけ、その名前をくり返したように記憶しています)。
 しかし…なぜ周囲の人は、頭で考えず、印象とか雰囲気だけで物事をおしはかってしまうのでしょうか?それもその人たちの「論理」ではあるのでしょうが、考えが浅いと感じます。
 実を言えば、私自身、人から「あなたは自分の同意者を求めている」と始終言われ続けてきたのですが、最近分かったことは、そうではなかったのかも、ということです。つまり、自分の意見よりもすぐれた論理を相手が出してきて、「あなたの発言はこれこれこういう点ではただしいけれども、ここは違う」とか、「こういう点ですべて間違っているから、ここを考え直した方がいい」と言えば、自分だって頭で考えているのだから、納得する場合もあるし、分からなければ、また後ででも聞き返したことでしょう。それとも、そういうことをするほど、人間は暇ではないのでしょうか?「あなたは理屈っぽい」で終わってしまうのでしょうか?
 閑話休題。テロとクーデター、私怨の件にもどりますが、人の行為はその動機によっても判断されるべきであり、正当防衛と計画殺人との間に刑罰の差があるように、どういう行いによって、何を求めて行動したのか、裁判ででもそれを無視した判決は出せないはずなのに、妖人、もとい要人(安倍はどちらでもなく、幼児かな?)の暗殺という事件で思考停止せず、その背景をさぐることは、今後同様の事件を引き起こさないためにも肝要でしょう。統一協会の実態を解明するためにも、動機の問題を明確にすることを怠ってはならない、と前回しるしたようなことでしめさせていただきます。インターネットや書物だけで、すべて分かったような顔をしないこと、そのことを自戒の意をもこめて記します。

日時
2022-10-04 10:42
投稿者
希蝶
記事
「戦前のテロに対する考察」小林よしのりライジング Vol.448
No.
155