kellow の削除コメント

今回のゴー宣を読んで、最近読み返した『差別論』(文庫本)の207頁の投稿文を思い出しました(「自分は反差別だ」と聞いてもないのに表明し始め、実は対象を利用して正義の味方ぶりたいだけの無自覚な差別者の話と、無知であるためにこれまた無自覚に差別心を露呈させてしまう人の話です)。

以前からネトウヨと反対の立場のはずの人たちが無自覚に差別をしているという点がずっと気になっていました。そういう「勝手に弱者認定して悦に入る差別」(こういうのを逆差別と言うのでしょうか?)を考えるきっかけとして、今回のゴー宣は大変わかりやすかったです。「漫画」や「沖縄」を別のことに置き換えるといろいろと見えてくるものがあります。

現在のゴー宣では皇位継承問題に関連して、男尊女卑という差別にどう対処するかも重要なテーマだと思います。今も議会で汚いヤジを飛ばしたり、時代にそぐわない専業主婦を強引に推奨しようとしたり、男系固執派が女性差別の表出として女性宮家に反対したりしているという件がありますが、それらに反対するあまり「女性」を無条件かつ過剰に持ち上げ、本当にフラットに問題を解決しようとする中で邪魔になるようなことはしたくないなと思いました。また、自分の中の男尊女卑感覚を警戒するあまり女性を逆差別していないかと不安に陥り、結果として何も言えなくなってしまうということにもなりかねないと思います。そうして傍観者になってしまったら、「今の日本人の無関心が悪い」などと言う資格もなくなります。

なので今回のゴー宣で提示されたことも、「サヨクはどうしようもないな」などと切り捨てず、自分に引きつけて考えていきたいです。そうやって物事の本質を押さえておけば、いろいろな差別の問題にも臆さず思考を進めていけるように思いますし、ひいては現場で生かすことができるんじゃないかと思っています。

日時
2015-05
投稿者
kellow
記事
「漫画・沖縄、弱者認定の落とし穴」小林よしのりライジング Vol.135
No.
77