クマソタケル兄弟を殺すオウスのぞっとする残忍さ。それこそ「美貌の女装の少年」であるがためになおのこと妖気に満ちた物凄さ・・・何と凄絶な場面描写でしょう。特に弟の殺害場面は・・・生々しくて苦痛満杯;;。
切腹した後、介錯無しだとこういう脂汗・苦悶の時間が続くのでしょうね。それにしてもその苦痛の中でオウスに「ヤマトタケル」と名乗るように告げる(名を贈呈する!!)クマソタケルも凄いです。
父親はこういうことを顔色変えずしてしまえるオウスを心底恐れたのだと思います。その以前には父の不満を聞いて自分の兄も容赦なく殺しているし。
オウスは父親に忠実のつもり、愛されたい心いっぱいなのに、その想像以上の激烈な行動がかえって父親を恐れさせ、疎まれる。---なんと大きな悲しみでしょうか。
そこがこれからのヤマトタケルの出発点なのですね。