イデオロギーやら理屈抜きで感性に訴えかけ、魂を撃ち抜く作品という意味では映画「野火」と「卑怯者の島」は似ていると俺も思うた。
低予算でここまで見応えのある戦争映画が撮れるのかと思うた。
むしろ低予算だからこそ生まれた凄みなんだろうと思うた。
ただ原作小説をなぞるだけの高尚な文芸作品にせず、しっかりと塚本晋也アレンジに仕上げた作家性にもシビレた。
一から十まで説明してくれるような分かり易い娯楽作品ではないけれど、こちとらの心や頭脳に深い爪痕を残す傑作だと思うた。
そういうところも「野火」と「卑怯者の島」は似ていると思うた。
感受性を刺激する作品はどれも最高だべさ。
そこにイデオロギーは関係ないべや。
主題や創作者の意図さえ越えた表現衝動に受け手は心を鷲掴みにされちまう。
気持ち良い感じに魂が昂奮しちまう。
魂が感じている時は感じるままに感じているだけで無心。
しかし、「考えるな、感じろ」と言ったのはブルースのリーだが、ビンビンに感じさせてくれる作品は「感じたのなら、考えろ」と問うてくるんだな。
そこで右脳と左脳が循環する。
「野火」にしろ「卑怯者の島」にしろ、散々に感じまくったあと、その感じた感じをそのまま放置せずに考えさせられるんだな。
やはり考えることは大事だし、その考えたことを語り合い、議論することが大切だと思うた。
映画を観たあと、マンガを読んだあと、ゴー宣を読んだあと、身近にいる腐れ縁のチンパンジーと語り合い、カンカンとガクガクにギをロンすることで思考が深化したりする。
ゴー宣はいつも感じさせてくれ、考えを深めさせてくれ、思い込みを改めさせてくれ、内省するキッカケや語り合うキッカケを作ってくれる。
二日連続のゴー宣配信というサービス精神に、くれくれ読者、欲しがり読者として随喜の涙を流している。
これからも欲しがり屋さん読者として愛読してこます。