サトルさま
ざっとかいつまんだ感想を
・Y遺伝子説の根本的問題点については、高森先生や木蘭さんがすでに指摘なさってますね。ほんと、Y遺伝子説、どうしようもないですね。
(参考:「神武天皇のY染色体」という妄想/ https://www.a-takamori.com/post/190618 )
・遺伝子決定論については、個人の性質(犯罪傾向とか貧困に陥りやすいとか性的嗜好とか)さえ本当に適用できるのか、かなり怪しいのに、それを社会・政治・経済的・文化・宗教的にはるかに複雑な要素からなる「天皇」という歴史的存在についての議論に持ち込もうなんて、正気の沙汰とは思えません。
(参考:「遺伝子とは何者か?」 https://idennsi.blog.jp/archives/13881823.html )
男系固執派に尋ねたいのは、その《血統論》における男系継承によって、具体的に、どのようなメリットがあったのか、どのようなデメリットを避けることができたのか、ということです。男系継承のおかげで権威が長く保たれた? それは、どうやって証明できるの?
私としては、(継体天皇の后となった)手白香皇女が天皇になって非皇族の男性と子供をもうけて、その子供が欽明天皇になったとしても、あるいは、元明天皇の夫が草壁皇子ではなく非皇族の男性で、その子供が元正天皇になったとしても、つまり二回にわたって母から子への皇位継承という《母系(女系)》継承が起こったしても、天皇・皇室の歴史は何も変わらなかっただろうな、と想像します。
長く続いてきたものは、現在も未来も、無条件に価値あるものであり続ける、という考え方は、本当に粗雑です。人種差別、奴隷制、女性蔑視、王権神授説、封建制、地動説… ぜんぶ、そのまま続けなければならないことになります。同じ論法で、総理大臣の職を長く続けたから、それだけで、あの方は国葬に値する、という考え方になったのでしょうかね。
ちょっと書き散らし気味の感想になりました、あしからず。
うさぎより