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今週号のSPAを読みました。最初のページの一文、
「日本は『10代8人の女性天皇』が存在するから、決して男系継承ではない。『双系継承』なのである。」
…ですか。
女性天皇がいたから「皇統は男系継承ではない」というのは、シンプルに、間違いではないでしょうか。
男系固執派の理屈は、その8人の女性天皇に関しても全て「男系の女子」であったから、日本の皇統は男系継承である、というものです。
これはどういうことかと言うと、この8人の女帝は、母子関係のみを遡ることでは皇祖(天照なり神武なり)にはたどりつかないけれど、父子関係のみを遡るやりかただったら皇祖にたどりつく、という意味で「男系の女子」であるということです。
このこと自体は、皇統図を見る限りは、否定のしようがありません。歴代の天皇は、たしかに、いずれも「男系の人物(男女)」であったということになるでしょう。
ただし、ある天皇に関して、その父親も母親も「生まれながらの皇族」であった場合については、その天皇は「男系、かつ、双系」の天皇であった、ということになるでしょう。
たとえば、欽明天皇を例にとれば、この人は父親の継体天皇の血筋においては「男系」であり、母親の手白香皇女の血筋においては「双系」です。
後者に関して、どういう意味でそれが「双系」なのかというと、欽明と手白香の関係は「母子関係」であり、さらに手白香から遡って皇祖(天照なり神武なり)に至るつながりは全て「父子関係」であるからです。つまり、手白香から皇祖へ遡っていくルートは、「父子関係」と「母子関係」の混合(組み合わせ)なので「双系」ということになります。
以上のように、歴代の天皇たちは、基本的に「男系」であるか、「男系かつ双系」であるかの、どちらかに該当しますが、(定義上)女系の天皇は一人も存在しません。
そうしますと、最初にもどって、S最初のページの一文、
「日本は『10代8人の女性天皇』が存在するから、決して男系継承ではない。『双系継承』なのである。」
…ですが、やはり、間違いです。女性天皇が存在するから男系継承ではない、ということにはなりません。たとえば仮に愛子さまが天皇に即位された場合、愛子さまは「男系女子」なので「男系の天皇」ということになり、依然として男系継承のルールは守られていることになります。ただし、(その夫となる方が一般人であって)そのお子様が成人して即位なさった場合には、その方は皇統図の上では史上初の「純粋な双系」の天皇となります(ここで「純粋な」と言うのは、それが「双系」であって「男系かつ双系」ではないという意味においてです)。
先日、木蘭さんと笹さんの動画を見ていて、お二人の会話から、以上のことがあまり明瞭に理解されていないのではないかという疑いを持ちました。そして、今回、小林先生が先のような一文を最初に書かれているのを見て、正直、落胆しました。これでは、男系固執派の人々から「そもそもあいつらは男系の意味を理解していない」と嫌味を言われるのが、目に見えています
私はそれを避けたくて、以前から「双系」についての書き込みをしてきたのですが、あまり理解されていないようで残念です。
うさぎでした