「卑怯者の島」ようやく手に入れ、読み終えました。
死があるからこそ、生が輝く。読み終えて最初に思ったことです。どの登場人物も死が隣り合わせにあるにもかかわらず、生きる生命力満ちた顔をしている。ラストの主人公の顔も死に直面しているにもかかわらず、生気漲る気がビンビンと伝わってくる。本を閉じ終えてしばらく、「生きる」とは何かを考えさせられてしまいました。
戦後に生まれた我々ははどうだろう。死というものが実験できないから生を実感できない、実感できないからイジメをやってみたり、人をだましてインチキ商法に手を染めたり、何もかも投げ出して2カ月も家出をしてみたり、時に人を殺してまでも生きている実感を得ようとする。死というものがわからないから生のありがたみも分からないのではなかろうか?
是非、これから親になる中高生に読んでもらいたい。
「卑怯者の島」と「匿名殺人鬼の本」…ものの価値がわかってない人間が本屋にもいるんですかね?どちらが20年後、「中学国語便覧」に掲載されるかちょっと考えればわかりそうなものなんですが…。
PS:ロクなコメントが書けなくなったので、しばらく王子稲荷に修行に行ってきます…?