randomtrader の削除コメント

配信ありがとうございます。

『アラブの春』、当初は海外メディアでも礼賛一色でしたが、しばらくしてその実態と悲惨な帰結が明らかになると一転して批判的なトーンに変わっていったのを覚えています。特にBBCでは優れたドキュメンタリが何本も放映されましたし、FTやThe Economistでも調査報道が数多く発表された一方で、日本語メディアではもう総括どころか報道すらまともに為されませんでしたね。そして『SNS革命』『自由を求める若者の声』といったイメージだけが残ってしまって、彼我のメディアの自浄能力の差に愕然としたものでした。

今SEALDsをアラブの春になぞらえてみせる人々の、日本語メディアが残したイメージだけを持ち続けて事実はどうであるかを調べようともしていない知的怠慢が露わになったわけですが、世界で起きている物事を正しく捉える視点を持てない日本の国民的問題であるようにも思っています。
シリア難民の件でレイシズムに満ちた言説が堂々とまかり通っていたり、国連で海外記者に難民受け入れについて問われた安倍首相がトンチンカンなことばかり述べて軽蔑を買ったりといったことも同根ではないでしょうか。

日時
2015-09
投稿者
randomtrader
記事
「『アラブの春』に学ぶ若者デモの陥穽」小林よしのりライジング Vol.150
No.
72