新年早々、配信お疲れ様です。
僕もTomoXXさん同様、Q&Aの『永遠の0』の映画評が気になりまして、自分なりの感想を述べさせてください。
僕は元旦に『永遠の0』を観に行きましたが、号泣とまではいかずとも期待していた以上に良かったと思いました。
映画をちゃんと観ていれば分かりますが、主人公の行動原理は「妻と子どもの幸せを守るため」であり、それは生き残った人の証言からも語られています。
特攻という手段を選択した理由は主人公の口からは語られていないので観客は推測するのみですが、敗戦濃厚で日本は滅ぶかもしれないという物語状況や主人公の行動原理を考えれば答えは明らかです。
それは『戦争論』で描かれている、私を公に昇華させた特攻隊員の心情に非常に近いものを感じました。
教え子や部下が乗る特攻機を直掩機で援護しながら見送るしかできないことに葛藤を覚え憔悴していく様子も描かれていましたが、それも『戦争論』で似たようなエピソードがあったのを思い出しました。
主人公が最後にした「ある選択」も私と公の葛藤を乗り越えたからこそだと思います。
映画の中である登場人物は「物語を紡いでいかなければならない」と言っていました。
同感です。主人公も実在の特攻隊員も何のために己を断って、特攻という「統率の外道」を選んだのか。
英霊となった人たちの思いを継いで今の日本人は何を守り継いでいかなければいけないのか。
全てが映画で示されているわけではありませんが、観た人が実際の特攻隊員や戦争について考えるきっかけになるかもしれない台詞だと思いました。
紡ぐことは思考し続けることと同義ではないでしょうか。